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  古代ローマをテーマとするゲームについて徒然に書き連ねます

Carthageリプレー(シナリオNo.2)CR Scenario2 Replay

Carthageシナリオ2「AGATHOCLES ~ The First Invasion of Carthage, 311BC ~
リプレー (Turn. 0:開始前)

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 Carthageシナリオ3よりも少しは複雑なのをやってみようということで、シナリオ2のリプレーです

 シナリオ3はヒエロの時代でしたが、こちらはそれから約50年前、やはりシラクサの僭主アガトクレスが登場するシナリオです
 アガトクレスは、このころのシラクサに数多く出現した僭主(元々、古代ギリシャのポリスで、非合法的手段によって政権を握った独裁者のこと by 大辞泉)の一人です。彼は生まれながらに傭兵隊長の資質を備えた人物で、僭主の座に就いてからもカルタゴとしばしば争ったことで知られ、本シナリオもその頃を再現したものです。最終的にはカルタゴの強大さの前に屈服したものの、晩年まで旺盛な野心と活力を失わず、もう一度どこかでカルタゴと一戦交えることを目論んでいたようです。彼の優れた才能は、ゲームでもその高い能力値に反映されています

アガトクレスに興味をお持ちの方は、third millennium libraryのアガトクレスの生涯をまとめたページ、
http://www.third-millennium-library.com/readinghall/GalleryofHistory/DOOR.html
をご覧いただくと、もっと詳しいことが記されています(英語ですが)

アガトクレスの紹介はこのぐらいにして、シナリオの状況確認と分析を行っていきましょう


シナリオ概要:
 本シナリオも都市の支配が勝利条件になっています。シナリオ3と異なるのは自動的勝利条件が双方に設定されていることです。ただ、この条件はかなり厳しいので、おそらく最終ターンまで進み、VPレースで決着がつくことが多いのではないかと思います
 また、変則的ながらも動員を行えますし、海上輸送も上級海軍ルールに基づいて実行できます。神託イベントもあり、中立勢力の引き込み、同盟国の出現なども発生するので、本シリーズの複雑なシステムを全部ではありませんが実践可能です。ローマ軍がいないので、政務官選出の困難さ(「面白さ」のはずですが、思わず「困難さ」と言ってしまいます…)は体験できません。リーダー補充も事実上無いに等しいので、人事の要素が少ないのはちょっと残念です


シラクサ軍の状況と作戦:
長所:
@シチリア内での行動に限定すれば、初期配置時から数的優位を容易に得られます。一見、戦力合計は拮抗しているように感じられますが、カルタゴ出身兵はアフリカから出ることができないので、初期配置分でシチリアに送れるのは歩兵10戦力だけです。しかも、カルタゴは政治動向が「慎重」であるためこの歩兵10戦力すら動かすことができず、こちらの数的優位は揺るぎようがありません
A特別ルールにより、第1ターンに必ず先手がとれます
B行動を制約する政治動向のようなものがありません
C神託イベントにより、オフェラスと彼のエジプト軍を増援として受け取れる可能性があります

短所:
@動員力で劣っているため、ゲームが進むにつれてシチリア内でも数的優位が失われます
Aアガトクレス以外のリーダーである息子2人が、父親に全く似ておらず、使えなさっぷりが無能を通り越して冗談レベルです
BVPレースで最初からかなりの差をつけられているだけでなく、都市支配で得られるVPも少なく設定されています
CVPを求めてアフリカに渡ると敵にカルタゴ市民兵を活用される上、迷惑な神託イベントに見舞われる可能性があります
D海軍は質・量ともに劣勢です

作戦:
 自動的勝利を目指すかどうかで作戦が異なります。自動的勝利を目指すならアフリカに渡るしかありません。ある程度賭けになりますが、うまくいけば早期にゲームを終わらせることができる、ハイリスク・ハイリターンの作戦です。史実のアガトクレスもアフリカに渡ってそれなりには成果を挙げたようですが、最終的には撤退を余儀なくされました。カルタゴ市の占領は結構厳しいものがあります
 堅実志向なら、シチリアで行動してカルタゴ軍を順次海に追い落とすことになりますが、総合的なリーダーレベルが劣っているため、後背地をどう守るかという問題点が残ります。ちなみに、シラクサを占領されても自動的敗北ではありません。間違えないようにしましょう。結局はVPレースになってしまう可能性が高いことを考えると、こちらの作戦の方が一般的だと思います。カルタゴは第1ターンにはシチリアの第U軍を増強することができないので、とりあえず開始当初はやりたい放題な感じです
 折衷案として、オフェラスと同盟を結べるまではシチリア内で掃討作戦を行い、エジプト軍が登場した時点でアフリカに渡るという選択肢もあります。ただし、オフェラスの存命中は連携した作戦行動はとれないので注意が必要です
 どういう方針で臨むにせよ、得られるVPをすべて合計するとシラクサはたったの27VPしかないのに、カルタゴは62VPもあって配分が極めて不公平であることは念頭に置いておく必要があります。たとえ小都市であっても、カルタゴに簡単に渡してしまってはいけません
 また、カルタゴが政治動向による制約を受けていると言っても、一旦こちらが攻勢に出ればカルタゴも積極的に行動できるようになる可能性が高いため、できれば第2ターンぐらいにはシチリア内をある程度掌握したいところです。もし、シチリアで十分な成果が得られないと判断したら、どうあれアフリカに渡って勝負を掛けるしかありません
 とりあえず第1ターンの主導権は保証されているので、最初にどこを狙うかだけは決めておくことができます。候補はいくつかありますが、カルタゴを追い落とすのが最優先なので、カルタゴ領3都市のうち守備隊が歩兵1戦力しかいないパノルムスが最適と思われます。一応、アグリゲントゥムも候補として挙げられはしますが、カルタゴを駆逐できていない状況であえて寝た子を起こすような行動は良策とはいえません。たとえアグリゲントゥム支配を視野に入れているとしても、まずはカルタゴへの対処を確実にしてからその先を考えるべきでしょう
 ちなみに、パノルムスは作戦値6のハミルカルが駐屯するリリバエウムから4へクス、ぎりぎり迎撃範囲内にあり、2以下のサイの目で迎撃を受ける可能性はありますが、たった4戦力のハミルカルが出撃してくることはまずないと思います。攻撃されるなら第2ターン以降でしょう


カルタゴ軍の状況と作戦:
長所:
@動員力で優っているため、時間経過とともに数的優位を確立しやすくなります
Aリーダーの能力が平均的に高く、2正面での作戦行動も、政治動向が許せば可能です
B小都市の支配でも高いVPが得られるため、最終ターンでも一発逆転が狙えます
C海軍力では質・量ともに優り、造船能力も相手を上回っています

短所:
@開始時にシチリアへ展開している戦力が乏しいため、運が悪いとあっさり地中海に追い落とされます
Aそれなのに、第1ターンは必ず相手に先手を取られてしまう関係で、ほぼ確実に序盤の主導権を失います
Bカルタゴ市民兵の行動範囲制限があるため、アガトクレスがアフリカに渡ってこない限り本国のエリート部隊が宝の持ち腐れです
C多正面作戦ができる指揮官と戦力を保持していても、政治動向に阻まれて実行できないことがあります。第1ターンがその良い(悪い?)例で、軍を分割してシチリアを増強したり、新たに遠征軍を編制したりすることが不可能です
D神託イベントにより、不満分子が暴発してリーダーを失ったり、本国州内にいきなり敵軍が出現したりします

作戦:
 序盤は主導権を失いがちなので、どうしてもリアクション主体の展開になってしまう面があるのはいたしかたないところです。
 通常、アガトクレスはシチリア内のカルタゴ勢力掃討に注力するのでこちらも増援を送り込みたいところですが、政治動向を何とかしないとにっちもさっちもいかない状態です。政治動向が変化するのを待つ必要がありますが、アガトクレスが積極的に行動してくれればこちらも動きやすくなるため、第1ターンの間はとりあえず好きにさせておくしかありません。国内輿論が熟成し、遠征軍編制ができるようになるまではひたすら耐える以外に道はありません
 政治動向が1段階でも改善すれば、1個軍を編制してシチリアへ送ることができます。とは言うものの、カルタゴ市民兵の行動範囲制限は有効なので、エリート部隊をシチリアに展開することは残念ながらできません。動員を行う際はこのことに留意しておかないと、いざ軍を派遣できるようになっても不十分な戦力しか用意できない可能性があります。計画性が肝心です。もっとも、そのうちリビアに敵が出現するはずなので、カルタゴ市民兵はそちらへの対処の際に役立ってもらいましょう
 シチリア内であればどこであれ、たとえ小都市であっても3VPが得られるので、シラクサ軍にちょっとでも隙があるようなら積極的に狙いに行くべきでしょう。最終ターンの終盤にLAMが回ってきてくれれば申し分ないところです


以上の現状分析と計画を踏まえて、次のページからゲームの進行状況を紹介していきます


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